農産物・食品の国別・輸出データから、ネット輸出・海外販売の可能性を探る!!

農林水産省・ジェトロなどのデータを元に、農産物や食品を輸出する上での現状や将来性を探っていきます。

最後に、食品輸出の可能性と戦略についても解説させていただきます。

■ 食品輸出データ
 米
 青果物
 牛肉
 お茶

■ 食品輸出の国別データ
 香港
 アメリカ
 台湾
 中国

 韓国
 タイ
 ベトナム
 シンガポール

 フィリピン
 マレーシア
 カナダ
 ドイツ

 イギリス
 インドネシア
 フランス
 ロシア

 イタリア
 インド

 中東
 中南米
 大洋州
 EU


目次

農林水産物・食品の輸出状況

 アジア地域は、日本の農林水産物・食品の輸出額の7割以上(2015年)を占めており、日本からの距離の近さ、日本食・日本文化の認知度、経済成長への期待などを踏まえると、今後も重点的に輸出拡大に向けた取組みを進めていくことが重要。

 アジア以外の地域については、日本からの距離も遠いことなどから、輸出可能な品目が限られるとともに、現地での販売価格も高くなるため、北米や欧州など所得 (一人あたりGDP) の高い国・地域を中心に輸出拡大に向けた取組みを進めていくことが重要。


「米」の輸出について

 精米の輸出量は、5年間で約2倍の2千t(約7億円)。香港・シンガポールで約7割。中国向けは、過去最大でも100t程度。

 日本産米に対する評価は高いが、許容できる価格差には限界。

 精米から長期間経過後も販売されているケースもあり、品質にも疑問。

 中国市場では、品質差を上回る高価格で流通しているのが実情。

 精米だけでなく、日本酒・米菓も含めた加工品の輸出に力を入れる。


「青果物」の輸出について

 野菜・果実等の輸出は、円高や世界的不況等により、平成19年をピークに減少傾向(H24 約80億円)。

【果実】主要な果実の輸出額のうち、約6割を「りんご」が占める。
輸出先は、台湾・香港で全体の約9割。

 現在の主要輸出先である台湾に加え、成長の著しい東南アジア等に着目した戦略的な市場開拓が重要。

 一方で、原発事故に伴う規制によって、主要取引先である台湾・香港で、一部地域からの輸入を停止中。
(具体例)
いちご・・・栃木県
なし・・・・・福島県、栃木県
もも・・・・・福島県

 重点国:
台湾、東南アジア(タイ、インドネシア、ベトナム)等


「牛肉」の輸出について

 H24年の輸出額は51億円、輸出量は863トンといずれも過去最高。

 平成24年8月に対米輸出が再開し、現在香港、マカオ、シンガポール、米国、タイ、カナダ、アラブ首長国連邦等への輸出が可能。

 平成25年3月には、EUへの輸出が認められたところ
※今後、輸出施設の指定が行われると、実際の輸出が可能

 市場の大きい米国やEUで重点的に活動する必要。

 ロース、ヒレ等の高級部位だけでなく、バラ等多様な部位の販売促進が必要。

 牛肉需要が見込まれる国・地域(ロシア、台湾、中国等)への輸出解禁に向けた働きかけが必要。

 相手国の衛生条件に対応した食肉処理施設の整備が必要。

 ジェトロによる米や果物などと一体的な日本食材の販売促進。

※和牛統一マーク


「お茶」の輸出について

 H24の茶輸出額は約50億円で、 5年前と比べ約1.5倍に増加。その半分は米国向け。

 EU向けは震災以降減少しているが、シンガポール向けは拡大傾向。

 世界的な健康志向の高まりから、各国の緑茶需要は増加傾向。

 他国産に比べてブランド力がある日本茶が進出しやすい状況。

 日本茶の価格は現地・他国産の2~4倍。安いものは家庭用、高いものは贈答用として販売。

 米国では、「緑茶は健康」とのイメージがあり、市場が拡大傾向。

 他方、EUでは残留農薬問題や放射性物質にかかる規制により日本茶の輸入量は伸び悩み。


「香港」への農産物・食品輸出(輸出先「1位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
1794億円(2015年)

国・地域別順位 1位

 香港は、日本の農林水産物・食品の最大の輸出先であり、輸出総額(7,451億円)の約4分の1を占める。

 輸入規制が少なく、関税も無税であるため、幅広い品目が輸出されている。

 水産物が輸出額の過半を占め、加工食品、食肉や果実なども一定の需要あり。

・人口:7百万人 (人口増加率 0.8%)
・面積:1,103㎢(東京都の約半分)
・宗教:仏教、道教、キリスト教
・名目GDP:2,909億ドル
・一人当たり名目GDP:40,033ドル
・実質GDP成長率:2.5%


「香港」・農業関連データ

 主な輸入品:牛肉(2,147百万ドル、ブラジル、アメリカ等)、アルコール飲料(1,744百万ドル、フランス、中国等)、鶏肉(1,524百万ドル、ブラジル、アメリカ等)

 香港は9割以上の食品を海外から輸入。日本からの輸入額は全体の4%程度(中国、アメリカ、ブラジル、オランダ、タイ、オーストラリアにつぐ7位)。


「香港」・市場の特性

 輸入規制が他国に比べ少なく、関税も無税であるため輸入が容易。

 中国大陸からの旅行者(4,720万人/年、2014年)が香港経済に一定の影響。中国やアジアへのショーケース機能もあり、国際見本市も多数開催。

 中国など周辺国に再輸出される食品も多い(26.1% 、2012年)。

 外食率が高い(約6割)。日本食は人気。ラーメン店や寿司店などの行列もみられる。日本の外食企業の進出意欲も高い。旅行雑誌で日本掲載も多い。

 日本産食品は種類、量とも豊富。頻繁に日本産品のフェアが開催されている。日系以外の現地の卸・小売との取引も増加しつつある。


「香港」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食は米、麺類。一般的に甘い味を好み、酸っぱいものは苦手。

 米飯とおかずは基本的に分けられていることが多く、家庭ではおかずを取って白飯の上にのせて食べることが多い。

 食事の時の飲酒は一般的ではない(食事と宴会が分かれている)。

 傾向として個々の食品への特別な嗜好(うんちく)に左右されやすい。

 食の安全へのこだわりも高まっている(中国からの輸入野菜などへの抵抗感も)。

 食品スーパーは、現地資本2グループ(Daily FarmとA.S.Watson)が全体の7割以上を占め、複占状態。日本の生鮮食品は、日系スーパーに加え現地の高級スーパーでの取り扱いも増えてきている。加工食品は現地スーパーでも取り扱っている。

 春節、中秋節に食品の贈答用の需要が大きい(春節は主に水産乾物、果物等。中秋節は主に月餅、果物等)。


「香港」・外食・小売等の状況

 日本食レストランが増加(約1,400店)。高級料理店のほか、寿司、ラーメン、焼き肉、とんかつ、たこ焼きなど幅広いジャンル。吉野家や元気寿司など、チェーン展開している企業も。

 消費者調査では、好きな外国料理で日本食がトップ。寿司・刺身、ラーメンなどが人気。日系以外の日本食レストラン店も多い。

 テイクアウト店が過去10年で倍増しており、おにぎり屋も増加。


「香港」・物流、関税

 物流関係は充実しており、香港に特有の問題は聞かれない。

・日本との航空便は週約400便。航空輸送時間5時間(早朝羽田発の便で空輸すれば、夕方に香港の飲食店に配送も可能)。

・日本とのコンテナ航路は週約65便。海上輸送日数は最短で3日程度。

・冷凍冷蔵食品の一人当たりの市場規模がアジア域内では比較的高く、コールドチェーンの整備が進んでいる。

 関税はない。


「香港」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 香港は、所得が高い、日本からの距離が比較的近い、日本食・日本産品の浸透度合いが高い、輸入規制が比較的緩いなどの条件がそろっており、日本の農林水産物・食品の最大の輸出先であるものの、香港全体の輸入額の数%でしかないことから、様々な品目でさらに輸出を拡大することが可能と考えられる。

 香港向けの輸出については、日系小売や日本食レストランへの販売の競合が見られることから

・輸出する品目やジャンル(健康食品、中食など)の拡大
・日系小売や日本食レストラン以外への販路の拡大
・輸出ロットの拡大、物流の効率化や流通マージンの削減等による価

格競争力の強化(さらにはボリュームゾーンへの参入)等の取組みを進め、さらなる輸出の拡大を目指すとともに、ショールーム効果も活用し、中国本土や他のアジアの国への輸出拡大につなげる。

 香港は比較的輸出しやすい環境にあることから、様々な品目で新規に輸出に取り組む者の取組みを促し、輸出に取り組む者を増やすことで、他国への輸出の拡大にもつなげる。

 香港では、外食率が高く、日本食レストラン数も多く、日系小売・現地小売ともに様々な日本産品の取扱いが見られる状況にあるため、外食・小売それぞれにおいて、日本産品の輸出の拡大が可能と考えられる。

 ただし、日系小売や日本食レストランなど、輸出しやすい先への競合が見られることから、中華料理店などの現地外食や現地小売への販路の拡大も重要。


「アメリカ」への農産物・食品輸出(輸出先「2位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
1071億円(2015年)

国・地域別順位 2位

・人口:322百万人(人口増加率 0.8%)
・面積:約962万㎢ (日本の約25倍)
・宗教:プロテスタント諸派、ローマカトリック等
・名目GDP:17兆3,481億ドル
・一人当たり名目GDP:54,353ドル
・実質GDP成長率:2.4%


「アメリカ」・農業関連データ

 主な輸入品: アルコール飲料(7,050百万ドル、フランス、イギリス等)、コーヒー豆(4,801百万ドル、ブラジル、コロンビア等)、牛肉(3,255百万ドル、オーストラリア、NZ等)


「アメリカ」・市場の特性

 世界最大の食品市場で、高い購買力を有す。

 アジア系の人口の割合は約5%程度で、人口も増加。

 サンフランシスコ・ベイエリアやNYは、世界の流行発信地としても機能。

 東西海岸の大都市を中心に日本食が浸透。寿司、テリヤキ、天ぷらのほか、酒、豆腐、味噌、最近は柚子やワサビ等も認知されつつある。

 日系人やアジア系などをターゲットに、日本のメーカーが現地生産する日本食材も多い。

 日本から輸出する日本産品は、中国などアジア産の安価な食品とも競合。

 日本からの距離が遠く輸送コストが高いため、品質で差別化が必要。


「アメリカ」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 様々な人種・民族で構成されており、大都市では各国の移民が持ち込んだ食文化や外国料理店が存在。食生活は多様。

 炭水化物はパン、パスタ、ジャガイモ、コメ等、様々な穀類が食される。

 健康志向の高まり等により、牛肉消費が減少。鶏肉は増加し、豚肉消費は横ばい。

 ミレニアル世代(80~00年代生まれ)と呼ばれる若い世代が,人口の3分の1を占め、食産業では、割高でも高品質の食品・商品を購入する存在として認識される。


「アメリカ」・外食・小売等の状況

 高級食材を多く使用し日本産にこだわる高級店から、ラーメン等のカジュアルフード店に至るまで、幅広い層・ジャンルの店が展開。

 日本食レストランは全米に22,452店(2年前の1.5倍)。NYでは日本食レストラン13店がミシュランガイド(2016年版)で星を獲得。

 牛角やくら寿司など日本の外食チェーン店も数多く進出。

 日系人の経営は減少傾向、アジア系含む非日本人の経営が増加。

 中高級店では多国籍料理との融合(フュージョン)もみられる。


「アメリカ」・物流、関税

 物流関係は充実。

・日本との航空便は週約531便(ロサンゼルス約60便:航空輸送時間約10時間、ニューヨーク約40便:航空輸送時間約13時間)
・日本とのコンテナ航路は週約39便。海上輸送日数は西海岸まで最短で9日程度(東海岸までは海運と鉄道で16日程度)。
・コールドチェーンの整備は進んでおり、品質劣化の心配はほぼない。

 主な関税率

牛肉0.044$/㎏,関税割当(TPP関税割当枠拡大→15年目撤廃)、日本酒0.03$/ℓ(TPP即時撤廃)、ながいも6.4%(TPP5年目撤廃)、切り花3.2~6.8%(TPP即時撤廃)、味噌・ソース混合調味料6.4%(TPP即時撤廃)、醤油3%(TPP即時撤廃)、りんご無税、水産物(ホタテ・ブリ等)無税 など
[主な関税割当品目:牛肉、乳製品、砂糖菓子等]


「アメリカ」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 アメリカは、日本産品の輸出の歴史も長く一定の日系の流通網が確立され、日系小売や高級な日本食レストランを中心に日本産品が広く提供されている状況にあるものの、販路の開拓余地はまだあり、様々な品目でさらに輸出を拡大することが可能と考えられる。

 アメリカ向けの輸出については、日系小売等への販売の競合が見られることから

・輸出する品目やジャンル(健康食品、有機食品など)の拡大

・日系小売や日本食レストラン以外、アジア系、白系やヒスパニック系などの他民族、内陸部の都市などへの販路の拡大

・輸出ロットの拡大、物流の効率化や流通マージンの削減等による価格競争力の強化(さらにはボリュームゾーンへの参入)

等の取組みを進め、さらなる輸出の拡大を目指すとともに、カナダなど他の米州の国などへの輸出拡大につなげる。

(注)見本市、日系小売や在外公館で等の販売促進活動についても、関係省庁・関係団体等の連携を強化し、統一的・戦略的に実施する。

 特に、ニューヨークは、世界の情報発信の中心地であることから、日本食・日本食材のブランド価値の向上を図りつつ、世界各国への情報発信を進めることが重要。

 アメリカは、外食向けは、日本食レストラン数も多く、健康意識から日本食のイメージも高まってきていることから、日本食レストランを中心に日本食材を売り込んでいくことが可能と考えられる。また、小売向けは、アジア系の人口が増えていることから、日系スーパーとともにアジア系スーパーでの日本食材の取扱いの拡大を進めることが重要であるが、健康志向に訴える健康食品や有機食品などを高級自然系スーパーへ提案していくことも考えられる。

(注)アメリカは、西部と東部で日本との距離が大きく異なっており、輸出条件等の違いやニーズの違いなどを踏まえ、販路開拓を進めていく必要がある。


「台湾」への農産物・食品輸出(輸出先「3位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
952億円(2015年)

国・地域別順位 3位

 台湾は、日本の農林水産物・食品の輸出先第3位。

 農産物の輸出の割合が高い一方で、台湾は漁業が盛んなこともあり、水産物の輸出の割合が低い。

 農産品では、りんごやながいもなど、特定の青果物の輸出量が大きい。

・人口:23百万人
・面積:3万6千㎢(九州とほぼ同じ)
・宗教:仏教、道教、キリスト教
・名目GDP総額:5,296億ドル
・一人当たりの名目GDP:22,600ドル
・実質GDP成長率:3.8%


「台湾」・農業関連データ

 主な輸入品:大豆(1,282百万ドル、アメリカ、ブラジル等)、トウモロコシ(1,183百万ドル、ブラジル、アルゼンチン等)、牛肉(604百万ドル、アメリカ、オーストラリア等)

 台湾は穀物自給率が約2割程度しかなく多くを海外から輸入。日本からの輸入額は全体の7%程度(アメリカ、ブラジルにつぐ3位)。


「台湾」・市場の特性

 親日で、人口2,300万人に対し年間300万人以上が訪日。日本統治時代から日本食が浸透(弁当文化も伝わっている)。家庭食でも日本産食材を使用する人が多く、農産品に限れば最大の輸出先。

 専門チャンネルで日本の番組が放送されているほか、現地語に翻訳された日本関連の書籍やレシピが、日本食文化の情報源になっている。日本の地方の特産品や地方グルメなどの需要も高まっている。

 急速な高齢化のため、健康志向を反映した食材・料理への需要も拡大が見込まれる。

 消費者の所得水準が高く、PPPベース1人当たりGDPは日本を上回る。

 関税率が低い品目は輸入量も多いため競合が激しい。


「台湾」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食はコメだが、パン食が急速に普及。コメ、パンのほか、麺類、水餃子などの消費も多い。家庭ではほぼ中華料理(台湾料理)。

 汁物は薄味が好まれる。日本では塩味の食品に甘さがプラスされていることもある。若年層等を中心に、本場(日本)そのままの味が好きな層も存在する。

 晩酌の習慣が無く、食べながらお酒を飲む人は少ない。一方で、普段はビールも飲まないが、宴会では度数の高いお酒を大量に飲む人もいる。


「台湾」・外食・小売等の状況

 日本食が圧倒的に人気。日系のほか、「日式」と呼ばれる現地の日本料理店も多数存在するが、他国・地域と比べレベルは高い。

 本物志向が高まり、味付けを現地化しない日系企業も増加。

 健康志向の追い風もあり、定食人気も年々高まる。

 抹茶を使ったスイーツのブームが続いているほか、寿司、カレー、天丼、トンカツ、ラーメンは安定的な人気。

 高級和食店では、日本からの天然高級食材の輸入に関心がある一方、台湾産の品質のよい生鮮品も組み合わせて利用するなど、品質・価格のバランスを見極め調達。


「台湾」・物流、関税

 物流関係は充実しており、台湾に特有の問題は聞かれない。

・日本との航空便は週約450便。航空輸送時間約4時間。
・日本とのコンテナ航路は週約100便。海上輸送日数は最短で1日程度。
・冷凍冷蔵食品の一人当たりの市場規模がアジア域内では比較的高く、コールドチェーンの整備が進んでいる。

 主な関税率。

ホタテ10%、りんご20%、コメ45TWD/㎏、菓子2~30%(チョコレート菓子10%)、清涼飲料水10%又は20%、日本酒40% など


「台湾」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 台湾は、品目によっては輸入規制や関税に留意する必要があるものの、所得が高い、日本からの距離が比較的近い、日本食・日本産品の浸透度合いが高いなどの条件がそろっているため、様々な品目で輸出を拡大することが可能と考えられる。

 台湾向けの輸出については、日系小売や日本食レストランへの販売の競合が見られることから

・輸出する品目やジャンル(健康食品、中食など)の拡大

・日系小売や日本食レストラン以外への販路の拡大

・輸出ロットの拡大、物流の効率化や流通マージンの削減等による価格競争力の強化(さらにはボリュームゾーンへの参入)等の取組みを進め、さらなる輸出の拡大を目指す。

 台湾は、比較的輸出しやすい環境にあるものの、安全性に対する意識が高いことを踏まえ、輸出にあたっては安全性の確保や規制の遵守に留意するとともに、訪日旅行客などへの安全性のPRを行い、安全・安心の日本ブランドの維持・向上を図る。

 台湾は、親日で、日本食は浸透し、日本産品の評価も高いことから、外食・小売それぞれにおいて、幅広い品目で輸出をさらに伸ばすことが可能と考えられる。

ただし、日系小売や日本食レストランなど、輸出しやすい先への競合が見られることから、現地の小売・外食への販路の拡大も重要。


「中国」への農産物・食品輸出(輸出先「4位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
839億円(2015年)

国・地域別順位 4位

 中国は、日本の農林水産物・食品の輸出先第4位。
 東日本大震災後の放射性物質規制をはじめとして輸入規制が厳しいが、日本産品の輸出は年々拡大。
 輸出品目の中では、加工原料用を中心とする水産物の割合が多く、輸出額も伸びている。

・人口:1,376百万人(人口増加率 0.5%)
・面積:約960万㎢ (日本の約26倍)
・宗教:宗教活動は制限(仏教、イスラム教、キリスト教など)
・名目GDP:10兆3,565億ドル
・一人当たり名目GDP:7,572ドル
・実質GDP成長率:7.3%


「中国」・農業関連データ

 主な輸入品: 大豆(38,009百万ドル、ブラジル、アメリカ等)、綿花(8,441百万ドル、アメリカ、インド等)、天然ゴム(5,759百万ドル、タイ、インドネシア等)


「中国」・市場の特性

 世界最大の人口を抱える巨大市場。中間層が増加し、消費力も旺盛。

 訪日旅行客数も急増し、国・地域別トップ。上海や北京などを中心に多くの日本企業が進出し、日本人駐在者も多い。

 日系食品メーカーも多数進出しており、現地生産品や台湾産、韓国産食品と一部競合。

 輸入規制により青果物は殆ど輸入できないが、日本の水産物や加工食品、飲料などは、信頼性も高い。

 日本産品の模倣品や商標侵害などへの対策も大きな課題。


「中国」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 地域によって味覚や嗜好に大きな違い。北京周辺(華北地域)は塩辛い味付け、広州周辺(華南地域)はさっぱりとした味が一般的。上海周辺(華東地域)では濃い味、甘い味、内陸の中部地域では香辛料の効いたものや辛い味が好まれる。

 食に関する事件・事故が多発。安全・安心への意識が高い。特に小さな子供を持つ若い世代、女性、富裕層を中心に、健康・美容に良い食品への関心が高い。

 菓子、清涼飲料水、調味料類は日本と共通点が多い。


「中国」・外食・小売等の状況

 北京、上海、広州等の大都市を中心に日本食レストランが普及。上海だけで日本食レストラン数約2,100店。

 日本式の丁寧な接客態度に好感を持つ消費者も増え、全国では23,100店舗と、2013年の約10,600店舗から急増。日系のみならず、中国資本や香港系の店舗も増えている。


「中国」・物流、関税

 日本との間の物流量は多い。

・日本との航空便は全国で週約1,190便(北京約140便:航空輸送時間は約4時間30分、上海約420便:航空輸送時間は約3時間30分)。

・日本とのコンテナ航路は全国で週約280便。海上輸送日数は、上海まで約4日、大連まで上海等を経由し最短9日、広州まで香港等を経由し最短約12日。

・都市部を除き、全国的なコールドチェーンは未整備。サービスの質にも課題。


「中国」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 中国は、動植物検疫や放射性物質規制などの輸入規制が多いものの、訪日旅行客には日本食・日本食材が人気であり、日本からの距離や人口規模を踏まえると、輸出を大きく増やせる可能性があると考えられる。

 中国向けの輸出については、輸入規制が厳しいながらも既に相当の規模があることから、輸出可能な品目については

・健康や美容関連の食品など新たなジャンルへの拡大

・日系小売・日本食レストラン以外や沿海部以外の大都市への販路の拡大

・輸出ロットの拡大、物流の効率化や流通マージンの削減等による価格競争力の強化(さらにはボリュームゾーンへの参入)

等の取組みを進めるとともに、輸入手続きの時間短縮に向けて、手続き円滑化の働きかけや輸出ルートの研究等を進め、さらなる輸出の拡大を目指す。

 輸出の制約がある品目については、

・動植物検疫や放射性物質規制など規制の撤廃・緩和
・訪日旅行客への日本食材の紹介

等の取組みを全力で進めていく。

 中国は、動植物検疫や放射性物質規制などの制約も厳しく、輸出可能な日本産品は限定されている状況。一方で、日本産品の評価は高く(安心・安全・高品質)、日本食レストランや日系小売を中心に輸出可能な日本産品の輸出を進めていく。(沿岸部以外の大都市など日系小売の進出していない地域においても小売・外食に日本産品の紹介を行い、販路開拓を進めていくことが重要)。


「韓国」への農産物・食品輸出(輸出先「5位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
501億円(2015年)

国・地域別順位 5位

 韓国は、日本の農林水産物・食品の輸出先第5位。

 日本と気候が近く、生産している農林水産物が競合するため、動植物検疫や関税のハードルが高く、輸出品目は加工食品などが多い。

 ヒノキが人気で、木材輸出が急増。

 水産物は、放射性物質規制の影響もあり伸びが弱い。

・人口:50百万人 (人口増加率 0.4%)
・面積:約10万㎢(日本の約4分の1)
・宗教:仏教、キリスト教 (儒教の影響も強い)
・名目GDP:1兆4,104億ドル
・一人当たり名目GDP:27,970ドル
・実質GDP成長率:3.3%


「韓国」・農業関連データ

 主な輸入品:トウモロコシ(2,677百万ドル、ブラジル、アルゼンチン等)、小麦(1,616百万ドル、アメリカ、インド等)、牛肉(941百万ドル、オーストラリア、アメリカ等)

 韓国は穀物を中心に海外から輸入(アメリカ、中国、ブラジル、オーストラリアなどが主な輸入先)。


「韓国」・市場の特性

 日本産品の多くが外食市場で消費。外食市場は不景気の中でも堅調に成長。日本食の人気が高まっており、日本食店(居酒屋含む)は増加。

 郷土料理や各地の日本酒への関心も高い。訪日旅行者が旅行中に食したメニューは他の東アジア諸国に比べても多岐にわたる。

 原発事故の影響から日本産が避けられる傾向にあるが、菓子類などは数量が回復傾向。

 健康面への効果の評判が高まり、住宅内装材等へのヒノキが人気。


「韓国」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 米飯・麺類が主食。唐辛子を用いた料理が多い。

 日韓で塩辛さの感じ方に相違がある。

 保守的な嗜好で、消費者は昔からの定番商品を選ぶ傾向。一般的ではない商品は十分なプロモーションが必要。


「韓国」・外食・小売等の状況

 日本食店は8,962店。日本食は広く認知され普及。寿司店、ラーメン店,とんかつ店、日本式居酒屋等が多く存在。「日本式」レストランは増えているものの、日系飲食業の進出はうまくいっていない。

 人気の料理は、寿司・刺身、とんかつ、うどん・ラーメン等。一方で認知度の低い日本食品・日本料理もあり、更なる発展の可能性あり。


「韓国」・物流、関税

 自国で生産している農林水産物と競合する品目の関税率が高い。
(例)牛肉30%、リンゴ45%、ホタテ20% など

 他の品目は、水産物10~28%、調味料・清涼飲料水8%、日本酒15%など
※ 日韓EPA交渉は2004年以降中断。
2013年より日中韓FTA、RCEPの枠組みで交渉中。


「韓国」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 韓国は、動植物検疫や放射性物質規制などの輸入規制が多いものの、日本からの距離が近く、訪日旅行客も多く、日本食が人気であることなどから、日本産品の輸出を増やすことは可能と考えられる。

 韓国向けの輸出については

・輸出可能な品目について、訪日旅行客へのお土産販売を行いつつ、その結果も利用して販路拡大を進める。

・現在輸出できない品目について、動植物検疫や放射性物質規制などの輸入規制の撤廃に全力で取り組み、輸出可能な品目を増やしていく。

 韓国では日本食は十分定着しているが、小売を通じた家庭用での日本産品の利用はまだ限られていることなどから、バイヤーの日本招へいや訪日旅行客への働きかけなど様々なルートを通じて、日本食材の安全性や現状では日本から輸出できない品目のPRなどを行い、じっくりと日本料理や日本食材の浸透を進めていく。

 韓国では日本食レストランが多く、日本産品も人気がある。ただし、輸出のために動植物検疫協議が必要な品目が多く、関税率が高いことなどから、輸出が可能な水産物や加工食品の外食向けへの輸出が中心となる。小売向けは、日系小売の進出も少ないため、現地小売への販路開拓が必要。


「タイ」への農産物・食品輸出(輸出先「5位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
358億円(2015年)

国・地域別順位 6位

・人口:68百万人 (人口増加率 0.4%)
・面積:51万4千㎢ (日本の約1.4倍)
・宗教:上座部仏教(約95%)、イスラム教(南部3県に多い)
・名目GDP:4,048億ドル
・一人当たり名目GDP:5,896ドル
・実質GDP成長率:0.9%


「タイ」・農業関連データ

 主な輸入品: 大豆油粕(1,555百万ドル、アメリカ等)、大豆(1,018百万ドル、ブラジル、アメリカ等)、加工食品(914百万ドル、アメリカ、シンガポール等)


「タイ」・市場の特性

 タイは豊富な原材料と安価で良質な労働力を活かし、食品加工産業が発展。世界各国に加工食品を輸出する食品大国。

 バンコクは所得も高く、食品への支出を中心に消費意欲が強い。

 日系食品企業も多数進出し、幅広い品目を現地生産。

 日本食品の輸入はASEAN地域で最大。日本食ブームなどから、日本食品フェアも頻繁に開催。

 親日的で訪日客も急増中。富裕層中心に本物の味を求めるニーズもある。


「タイ」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食は米(長粒種)。唐辛子や香草、ナンプラーを使うスパイシーな料理が多い。野菜を生で食べる習慣あり。甘み、辛味、酸味などはっきりした味が好まれ、薄い味、塩辛いものは好まれない。

 食の多様化が進み、日本食は日常的な料理となっている。麺文化がありラーメンも人気。鯖のてりやき、うなぎ、とんかつ等も人気がある。

 SNS等で口コミ情報が伝わりやすい。


「タイ」・外食・小売等の状況

 好きな外国料理で日本料理がトップ。日本食レストランが地方も含め毎年10%以上増加しており、現在約2,100店舗。幅広い層・ジャンルのレストランが存在する。

 タイ資本の店も人気を集めている。ビュッフェ形式のレストランOishiは、日本食ブームの火付け役になったといわれ、郊外にも波及。


「タイ」・物流、関税

 物流関係は充実しており、タイに特有の問題は聞かれない。

・日本との航空便は週約180便。航空輸送時間は約7時間30分。
・日本とのコンテナ航路は週約35便。海上輸送日数は最短で約6日。

・コールドチェーンの整備は進んでおり、日本産品のニーズにほぼ応えることができる水準に達している(ただし、バンコク市内は交通渋滞がひどく、大型車両の乗り入れ規制があることもあり、コールドチェーンも含む物流にも影響)。

 主な関税率
関税のない品目が多いが、緑茶2.73%(2017年度から無税)、さば5%、ブリ無税 など
※2007年に日タイEPAを締結(2007年より発効)。


「タイ」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 タイは、日系小売や外食の進出が多く日本ブランドの認知度も高い、輸入規制が比較的緩い、首都のバンコクは所得も高いなどの輸出の条件が比較的そろっているため、様々な品目で輸出を拡大することが可能と考えられる。

 タイ向けの輸出については、日系小売や日本食レストランへの販売の競合が一部見られることから、

・輸出する品目等の拡大

・日系小売や日本食レストラン以外、バンコク周辺への販路の拡大

・輸出ロットの拡大、物流の効率化や流通マージンの削減等による価格競争力を強化(さらにはボリュームゾーンへの参入)

等の取組みを進め、さらなる輸出の拡大を目指すとともに、メコン地域の周辺国への将来的な輸出拡大につなげる。

(注)見本市、日系小売や在外公館等での販売促進活動について、関係省庁・関係団体等の連携を強化し、統一的・戦略的に実施する。

 タイは、経済発展とともに、新たな輸出品目の拡大や首都バンコク以外への販路拡大等により今後の市場の伸びが期待されることから、輸出拡大に向けた取組みを集中的に進め、輸出拡大につなげていく。

 タイは、水産加工業が発展しており、加工原料用の水産物の輸出は、国内の漁獲量等の動向に影響を受けるものの、継続的に見込まれる。

 また、タイは、在留邦人数が多く、日本食も急速に広まっているほか、日系小売の進出も多いことから、外食・小売それぞれにおいて、幅広い品目で輸出を伸ばすことが可能と考えられる。ただし、日系小売や日本食レストランなど、輸出しやすい先への競合が見られることから、現地の小売・外食への販路の拡大も重要。

(参考)好きな外国料理としては、日本料理が圧倒的に人気(ジェトロ調査)。


「ベトナム」への農産物・食品輸出(輸出先「7位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
345億円(2015年)

国・地域別順位 7位

 ベトナムは、日本の農林水産物・食品の輸出先第7位。

 水産物の輸出割合が高く、過半を占める。主な輸出品目は、「ホタテ」、「さば」、「さけ・ます」など。

 粉ミルクの需要が拡大し、「牛乳・乳製品」の輸出が大きく伸びている。

・人口:93百万人 (人口増加率 1.1%)
・面積:32万9,241㎢
・宗教:仏教(約8割)のほか、カトリック、カオダイ教、ホアハオ教など
・名目GDP:1,859億ドル
・一人当たり名目GDP:2,051ドル
・実質GDP成長率:6.0%


「ベトナム」・農業関連データ

 主な輸入品: 大豆油粕(1,509百万ドル)、綿花(1,023百万ドル)、アルコール飲料(820百万ドル)、大豆(815百万ドル)


「ベトナム」・市場の特性

 人口が毎年100万人程度増加。平均年齢28.2歳と若年層が多い。

 国民の7割が農村部、都市部はハノイ・ホーチミン周辺に集中。共働きの家庭も多い。所得格差が大きく、日本産品は都市部が主要市場。

 一般的に日本産品への信頼性は高いが、理解や認知はまだ低い。

 日系の食品関連企業も多数進出し現地生産。

 日本より早く進出した韓国企業の食品と競合するとともに、ベトナム企業等による類似食品も流通。


「ベトナム」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 ハノイ(北部)、ホーチミン(南部)で嗜好が異なる(北部:中国からの影響が強く、薄味で塩や醤油ベースのあっさりした味、中部:唐辛子を使用した辛い味、南部:カレーやスパイスを多用し、砂糖を使用した甘く濃い味)。

 麺類、鍋料理が多く、だし・うまみを重視(ただし、 「わかめ」や「かつおぶし」等は慣れるまで敬遠されがち)。魚醤、味噌、香草なども多く使われる。


「ベトナム」・外食・小売等の状況

 日本食はベトナム料理の数倍の価格だが、人気が高まっている。

 日本食レストランは、ホーチミン市内400店舗、ハノイ市内200店舗程度。ベトナム人客も増加傾向。ダナン、ハイフォン市等にも普及。

 日本酒や水産物などの食材は日本食材店経由で流通。

 ホーチミンでは寿司、定食、焼き肉などのチェーン店が多数展開されている。ローカルの寿司店も増えている。


「ベトナム」・物流、関税

 物流関係は、コールドチェーンに課題。

・日本との航空便は週約90便。航空輸送時間は約6時間30分。
・日本とのコンテナ航路は週約27便。海上輸送日数は最短で約6日。

・物流の末端において、温度管理が不十分なケースが見られる(特に、ホーチミン市内では、トラックの進入制限により、バイクを利用せざるを得ない場合が多く、温度管理が徹底されていないことがある)。

・主な関税率
牛肉10%(TPP:3年目撤廃)、りんご5.5%(TPP:3年目撤廃)、日本酒18% (TPP:3年目撤廃)、さば(冷凍)8%、ブリ・さんま(冷凍)10%(TPP即時撤廃) など
※2008年に日ベトナムEPAを締結(2009年より発効)。


「ベトナム」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 ベトナムは、都市部では所得も比較的高く、日本ブランドの認知度も高いことから、所得の向上や輸出環境の改善などが進めば、様々な品目で輸出を拡大することが可能と考えられる。

 ベトナムは、経済発展に伴い、新たな輸出品目の拡大や主要都市以外への販路の拡大等による今後の市場の伸びが期待されるが、国全体でみるとまだ所得が低い。このため、その中でも所得が高いホーチミンなどの大都市に進出している日系小売を中心に、比較的余裕のある中間層が購買できる価格帯で日本産品を紹介していくなど、輸出促進の取組みを集中的に進めていく。

 TPPが発効すれば、外資規制の撤廃や関税の撤廃(特に、水産物の関税は即時撤廃)が行われることを念頭に、日系企業の進出拡大や日本文化のプロモーションと併せて、日本産の農林水産物・食品の輸出拡大の取組みを進めていくことも重要。

 ベトナム向けの輸出は、加工原料用の水産物の輸出が中心。

 ベトナムは、日本企業の進出も増え、日本ブランドは認知されているが、所得が低いことから、大都市での販路開拓が中心になる。また、高級外食・小売の数も限られていることから、輸出を拡大していくためには、商品を小分けにし購入しやすい価格で商品を提供するなど、小売での中間層向けの取組みも重要。


「シンガポール」への農産物・食品輸出(輸出先「8位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
223億円(2015年)

国・地域別順位 8位

●日本の農林水産物・食品の輸出先第8位。
(ASEANエリアでは、タイ、ベトナムに次ぐ3位)

 「加工食品」、「農産物」、「水産物」いずれも増加傾向。

 検疫条件が緩く、関税も無税であるため、幅広い品目が輸出されている。

 日本食レストランの増加により、日本食関連の食材(日本酒、牛肉、緑茶等)の輸出が増加。

・人口:6百万人 (人口増加率 2.0%)
・面積:約716㎢ (東京23区と同程度)
・宗教:仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、道教、キリスト教ほか
・名目GDP:3,079億ドル
・一人当たり名目GDP:56,287ドル
・実質GDP成長率:2.9%


「シンガポール」・農業関連データ

 主な輸入品:蒸留酒(1,793百万ドル、フランス、イギリス等)、加工食品(817百万ドル、インドネシア、マレーシア等)、たばこ(643百万ドル、インドネシア、中国等)

 シンガポールはほとんどの食料を海外(マレーシア、フランス、インドネシア、イギリス、中国など)から輸入。


「シンガポール」・市場の特性

 多様な民族・人種が存在。(中華系7割超、マレー系、インド系など)

 一人当たりGDPは日本を上回る。男女共働き社会で、可処分所得も高い。

 人口550万人程度だが、近隣諸国を中心に年間1,500万人もの観光客が訪れるため、「ショーケース」的な役割。再輸出比率も4割と高い。

 品揃えは豊富だが、商品サイクルは短い。

 日本食材は、輸入全体に占めるシェアは低いが、安全性や味などから、日常的に購入されている。中心部から郊外にも波及。

 日系の伊勢丹、高島屋、明治屋では、毎週のように各自治体がイベントを開催し、競合。


「シンガポール」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 外食中心の食文化。昼食の他、朝食、夕食も外食又は中食で済ます人が多い。

 多様な民族構成から、様々な食文化が共存。宗教上の食事制限がある人もいる。

 塩辛い、酸っぱい、薄味、あっさり味は苦手な傾向。

 基本的に味付けが濃い、スパイシーなもの、甘いものを好む傾向。


「シンガポール」・外食・小売等の状況

 日本食レストランが人気で店舗数も増加(1,105店、レストラン全体の約15%)。日系大手チェーンの出店も加速。ショッピングモールには日本食街も見られる。

 水産物や青果物などはニーズがあるものの、航空輸送で高価のため、ボリュームが小さい。


「シンガポール」・物流、関税

  物流関係は充実している。
(ただし、荷役時の品物の取扱いが粗雑な面も見られる。)

・日本との航空便は週約180便(チャンギ空港)。航空輸送時間は約7時間30分。(チャンギ空港は、今後、発着便数の拡大が予定されており、ハブ空港機能のさらなる拡充が見込まれる。)

・日本とのコンテナ航路は週約20便。海上輸送日数は最短で約7日。

・シンガポールはコールドチェーンが充実しており、チャンギ空港周辺に国際空港輸送の拠点整備の動きも見られる。

 日本との間では関税なし。


「シンガポール」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 シンガポールは、所得が高い、日本からの距離が比較的近い、日本食・日本産品の浸透度合いが高い、輸入規制が緩い等の輸出の条件がそろっているため、様々な品目で輸出を拡大することが可能と考えられる。

 シンガポール向けの輸出については、日系小売や日本食レストランへの販売の競合が見られることから

・輸出する品目やジャンル(健康食品、中食、病院食など)の拡大

・日系小売や日本食レストラン以外への販路の拡大

・輸出ロットの拡大、物流の効率化や流通マージンの削減等による価格競争力の強化(さらにはボリュームゾーンへの参入)

・商業施設の開発と一体となった進出

等の取組みを進め、さらなる輸出の拡大を目指すとともに、ショールーム効果を活用して、他の東南アジアの国への輸出拡大につなげる。

 シンガポールは比較的輸出しやすい環境にあることから、様々な品目で新規に輸出に取り組む者の取組みを促し、輸出に取り組む者を増やすことで、他国への輸出の拡大にもつなげる。

 シンガポールは、所得が高く、日本産品に対する評価も高い。シンガポールは外食率が高いことから、外食を中心に、幅広い品目で輸出をさらに伸ばすことが可能と考えられる。(小売は、大手2社の寡占状態にあり、大手小売との取引は、ロットや価格などの取引条件が厳しいことにも留意が必要。)


「フィリピン」への農産物・食品輸出(輸出先「11位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
95億円(2015年)

国・地域別順位 11位

 フィリピンは、日本の農林水産物・食品の輸出先第11位。

 輸出全体の中で林産物の割合が高いが、日本に再輸出される海外生産の原材料としての輸出が多い。

 その他は、加工原料用の水産物や加工食品の輸出が多く、農産物の輸出の割合は非常に小さい。

・人口:101百万人 (人口増加率 1.6%)
・面積:約30万㎢(日本の約8割、7,109の島)
・宗教:カトリック(約8割)などキリスト教徒が約9割(ASEAN唯一のキリスト教国)、そのほかイスラム教など
・名目GDP:2,846億ドル
・一人当たり名目GDP:2,862ドル
・実質GDP成長率:6.1%


「フィリピン」・農業関連データ

 主な輸入品: 小麦(869百万ドル、アメリカ、カナダ等)、大豆油粕(759百万ドル、アメリカ、アルゼンチン等)、加工食品(648百万ドル、シンガポール、タイ等)


「フィリピン」・市場の特性

 人口が1億人を突破し、ASEAN2位の人口規模。人口増加率は依然高く、若年層に厚みがあるため、今後も成長が見込まれる市場。

 経済発展が著しいが、貧富の差も大きい。

 富裕層を中心に日本食の人気は高まっているが、ターゲットとなる富裕層はメトロマニラ(首都圏)に集中。マニラでは中間層も増加している。

 日本産品の良さが理解され始めており、大手スーパーマーケットなどは日本産品の輸入を増やしたい意向も見られるが、タイなどで現地生産され輸出された日本メーカーの食品も存在。


「フィリピン」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 コメが主食。コメに合う煮物や炒め物等の料理が食卓の中心で、味付けは基本的に濃いものが好まれる。薬味として酸味、辛味を利用する場合が多い。

 家庭料理はスペイン料理の影響が強く、ファーストフードはアメリカの影響が強い。

 食費への支出は多い。


「フィリピン」・外食・小売等の状況

 日本食レストランが増加。日本食本来の味よりも、ローカライズされたものが好まれる。ローカル系の日本食チェーンも人気。

 最近日本のラーメン、カレー、トンカツ等の専門店が相次ぎ進出。価格は日本よりも高いが、人気を集めている。


「フィリピン」・物流、関税

 物流関係では、フィリピンの特有の問題は概ね聞かれない。

・日本との航空便は週約126便。航空輸送時間は約5時間。
・日本とのコンテナ航路は週約11便。海上輸送日数は最短で約4日。

・マニラ港及びマニラ首都圏の渋滞がひどく、トラックの乗り入れが一部制限されており物流にも影響。
大手企業等のサービスを利用すれば、概ね温度管理の設備は整っているが、輸送時などのオペレーションについての管理体制は不十分。

 主な関税率
牛肉2%、緑茶1%、ホタテ2% など

2018年度から無税となる品目が多い(牛肉、水産物、菓子、緑茶、合板など)
※2006年に日フィリピンEPAを締結(2008年より発効)。


「フィリピン」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 フィリピンは、日本からの距離が比較的近く(東京から首都マニラまでの距離は、香港までの距離とほぼ同じ)、海外で働くフィリピン人からの送金もあることなどから消費意欲が旺盛であり、所得の向上や輸出環境の改善などが進めば、様々な品目で輸出を拡大することが可能と考えられる。

 フィリピン向けの輸出については、マニラなどの主要都市を中心に

・日本からの距離の近さを活かした富裕層向け・中間所得層向けなどの輸出のスキームの構築

・(他の東南アジア諸国と比べ少ない)日系小売等の進出の支援(小売業への外資規制の緩和も働きかけ)

・(日本文化の浸透度が他のアジア諸国と比べ低く、味覚・味付けも独特であることから、)若い年齢層を中心に日本食・日本食材の紹介等を進め、輸出の拡大につなげていく。

 フィリピン向けの輸出は、加工原料用の水産物や加工食品が中心

 日本企業の進出も増え、日本ブランドは認知されているが、所得が低いことなどから、日本食向けの高級食材を多く販売することは難しい状況。このため、日本からの距離の近さを活かした高級外食向けへの日本産品の輸出や、商品を小分けにし購入しやすい価格で商品を提供するなど小売での中間層向けの取組みなどを進めていくことが考えられる。


「マレーシア」への農産物・食品輸出(輸出先「12位」)

日本からの農林水産物輸出
83億円(2015年)

国・地域別順位 12位

 加工原料用の水産物の輸出が伸びている。

 イスラム教徒が多く、アルコールは輸出できないイメージもあるが、人口の約2割が中華系であり、アルコール飲料の輸出が上位。

 加工原料用に加え、食材・食品としても幅広い品目で輸出が行われている。

・人口:約30百万人 (人口増加率 1.5%)
・面積:約33万㎢ (日本の約0.9倍)
・宗教:イスラム教、仏教、ヒンドゥー教、キ
リスト教など
・名目GDP:3,381億ドル
・一人当たり名目GDP:11,049ドル
・実質GDP成長率:6.0%


「マレーシア」・農業関連データ

 主な輸入品: 天然ゴム(2,483百万ドル、タイ、ベトナム等)、トウモロコシ(995百万ドル、アルゼンチン、ブラジル等)、加工食品(898百万ドル、シンガポール、インドネシア等)

 マレーシアの農林水産物の輸入は、加工原料用が多い。


「マレーシア」・市場の特性

 多民族国家。人口の6割がマレー系で、イスラム教を信仰。中華系が2割。

 ハラール商品の需要が高い。マレーシアのハラール認証は政府の認証機関(JAKIM)が実施。同国の認証はイスラム圏で高い評価。(マレーシアは、イスラムマーケットのゲートウェイと呼ばれる。)

 日系の食品関連企業も進出し現地生産。

 ビザ緩和を契機に訪日旅行者も増加。(本物に近い)日本食を求める人も増えており、日本食マーケットは拡がる可能性あり。

 糖尿病など生活習慣病の増加が問題となっており、健康食品も有望。


「マレーシア」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食は米。食文化にも民族構成が色濃く反映。イスラム教を信仰するマレー系は豚・アルコール飲料の摂取は禁忌。中華系は、中華料理や飲茶などを基本とする食文化。インド系はヒンドゥー教の影響で、牛肉は食べられず、菜食主義者も多い。地元食材や他文化から派生した料理も見られる。

 中華系は鶏肉を好み、イスラム教徒も牛肉よりは鶏肉を好む者が多い。

 甘いものや色彩が派手な食品が好まれる傾向。


「マレーシア」・外食・小売等の状況

 全国の日本食レストランは約1,400店舗。料理のクオリティーも年々上がっている。

 富裕層のみならず中間層向けのカジュアルなものまで幅広い。寿司、刺身など定番の日本食のほか、ラーメン、焼き鳥、とんかつといった大衆的な専門店、居酒屋スタイルの店舗も出店している。

 ハラール対応はごく一部、すき家はハラール認証を受けている。

 日系のみならず「SUSHI KING」や「SAKAE SUSHI」などローカル系寿司レストランチェーンも多店舗展開。


「マレーシア」・物流、関税

 物流関係は充実しているが、コールドチェーンに課題。

・日本との航空便は週約45便(クアラルンプール国際空港)。航空輸送時間は約7時間30分。
・日本とのコンテナ航路は週約20便。海上輸送日数は最短で約8日。
コールドチェーンは十分には整備されていない状況。
(クアラルンプール国際空港で輸入手続き後に待機する倉庫が常温であり、空輸
後にコールドチェーンの一時的な寸断が発生(2014年) ⇒ 改善を働きかけ。)

 主な関税率
コメ40%、日本酒25.5MYR/ℓ(アルコール100%)、水産物、青果物、茶、調味料(関税なし) など

※2005年に日マレーシアEPAを締結(2006年より発効)。


「マレーシア」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 マレーシアは、日系小売などの進出も多く、日本ブランドの認知度も高いことから、所得の向上や物流などの輸出環境の改善などが進めば、様々な品目で輸出を拡大することが可能と考えられる。

 マレーシア向けの輸出については、まずは比較的所得の高い中華系をターゲットとし、現地に進出している日系小売などを中心に輸出品目・取扱い量の拡大の取組みを集中的に進め、併せてマレー系に関する取組み(モダンマレーや訪日旅行客への日本産品の紹介、ハラール認証取得の推進等)も着実に進める。

(注)マレーシアは、多民族国家であり、民族によって嗜好やハラール要件などが異なっていることから、輸出にあたってはターゲットの明確化が必要。

 マレーシアは、東南アジアの中では比較的所得水準が高く、東南アジアのショーケース的な機能を有するシンガポールにも近く、シンガポールでのプロモーション等の影響が波及しやすい(クアラルンプールとシンガポール間での高速鉄道計画もある)ことから、シンガポールでのプロモーション等の実施状況を踏まえつつ、一体的にマレーシアへの販売促進の取組みを進め、輸出拡大につなげていく。

 マレーシアには、物流、ハラール認証などの輸出の制約はあるものの、日系小売などが多く進出し、日本ブランドの認知度は高いため、中華系向けの小売を中心に、加工食品や青果物などの輸出を伸ばせる可能性。


「カナダ」への農産物・食品輸出(輸出先「13位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
81億円(2015年)

国・地域別順位 13位

・人口:36百万人(人口増加率 1.0%)
・面積:約998万㎢ (日本の約27倍)
・宗教:キリスト教(約7割、ローマカトリック教会、カナダ合同教会等)、非キリスト教も増加
・名目GDP:1兆7,854億ドル (世界第10位)
・一人当たり名目GDP:50,304ドル
・実質GDP成長率:2.4%


「カナダ」・農業関連データ

 主な輸入品: 加工食品(2,430百万ドル、アメリカ等)、牛肉(967百万ドル、アメリカ等)、ペストリー(766百万ドル、アメリカ等)


「カナダ」・市場の特性

 多くの移民を受け入れており、人口の約2割は移民一世。

 欧州系のほか、最近はアジア系移民(中国、香港、韓国、フィリピン、インド系等)が多く、アジア系食材市場も拡大。

 日本食レストランは人気が高く、バンクーバーでは、中華レストランを凌ぐ店舗数。日本食ブームは西部から東部に伝播。

 日本産品は直接輸入に加え、アメリカ経由での輸入も見られる。

 アメリカ産の日本酒や飲料、酢、醤油なども販売。


「カナダ」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 多文化主義を採っており、食も多様。主食、副菜の概念はない。

 一般消費者は、ある程度ボリュームのある料理、はっきりした味付けを好む傾向。

 富裕層を中心とした健康志向の高まりにより、オーガニック食品の需要。

 アレルゲンを使用しない食品(グルテン・フリー、ピーナッツ・フリーなど)も一般的。


「カナダ」・外食・小売等の状況

 日本食レストランの人気が高く、カナダ全体で2,635店。バンクーバー(約850店)やトロント(約1,070店)周辺に多い。

 日系では牛角や山頭火、新宿さぼてん等が進出。

 トロントでは、寿司、居酒屋だけでなく、ラーメン店や串焼き、鉄板焼、沖縄料理なども人気。モントリオールでも日本食レストランが増加。

 高級レストランでは、築地から魚介類を空輸しているケースも。


「カナダ」・物流、関税

 物流関係は充実しており、カナダに特有の問題は聞かれない。

・日本との航空便は週約34便。航空輸送時間は約9時間。
・日本とのコンテナ航路は週約7便。海上輸送日数は最短で10日程度。
コールドチェーンの整備は進んでおり、品質劣化の心配はほぼない。

 主な関税率
牛肉無税、りんご無税、主な水産物(ホタテ・ブリ・さば等)無税、日本酒2.82~12.95セント/ℓ(TPP即時撤廃)、ソース混合調味料8又は9.5%(TPP即時撤廃)、醤油9.5%(TPP即時撤廃)、チョコレート6%(TPP即時撤廃)、清涼飲料水11%(TPP即時撤廃) 等


「カナダ」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 カナダは、日本からの距離は比較的遠いものの、所得も高く、日本食の認知度も高いことから、外食を中心に輸出を拡大することが可能と考えられる。

 カナダは、移民が多く、アジア系の人口が増えてきている(都市によっては半分程度がアジア系の場合もある)ことから、アジア系の小売などへの販路拡大・日本食材の紹介を進め、日本産品の裾野を広げていく。

 カナダは、商流がアメリカと一体となっているケースも多く、NAFTA圏内のアメリカからカナダへの再輸出も多いことから、カナダへの輸出促進のプロモーションは、アメリカ向けのプロモーションと連動して取り組んでいく。

(注)カナダは世界第2位の広大な国土を有するが、人口の大半は特定の州・都市に集中しており、また、西海岸側か東海岸側かで文化や物流などが大きく変わることから、輸出にあたってはターゲットの明確化が必要。


「ドイツ」への農産物・食品輸出(輸出先「15位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
66.3億円(2015年)

国・地域別順位 15位

 ドイツは、日本の農林水産物・食品の輸出先第15位。

 輸出額の約2割が緑茶。日本からの緑茶の輸出先としてはアメリカに次ぐ2位。

 ソース混合調味料、醤油やアルコール飲料などの加工食品も多い。

・人口:81百万人(人口増加率 0.1%)
・面積:約35万㎢ (日本の約94%)
・宗教:カトリック、プロテスタント、イスラム教、ユダヤ教等
・名目GDP:3兆8,744億ドル
・一人当たり名目GDP:47,774ドル
・実質GDP成長率:1.6%


「ドイツ」・農業関連データ

 主な輸入品: 動植物性原材料(5,398百万ドル、オランダ、中国等)、チーズ(4,194百万ドル、オランダ、フランス等)、ワイン(3,340百万ドル、イタリア、フランス等)


「ドイツ」・市場の特性

 日本食は「健康的でクール」というイメージが強く、人気。

 健康志向が高く、アメリカに次ぐ世界第二位のオーガニック市場。
(EUの有機認証と日本の有機JAS認証は同等性が認められている)

 加工食品など、日本企業がEU域内で生産した日本食材の販売も多い。

 中国・韓国・タイ等から日本食品の類似品が大量に流入。日本産と誤認する消費者もいる。


「ドイツ」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食はパン。肉製品やジャガイモを好む。食に対しては保守的で、外食率も低い。

 近年、特に若者の間でアジア料理や地中海料理に加え、中東・アフリカ料理などのエスニックフード等、外国料理の人気が高まる。

 オーガニック食品(BIO)、ラクターゼ不使用、純菜食主義者向け製品等も人気。


「ドイツ」・外食・小売等の状況

 日本食はヘルシーなイメージと共に普及。日本食レストランは約500店。

 好きな外国料理で日本料理がトップ(ジェトロ調査)。

 寿司や肉料理(しゃぶしゃぶ、焼き鳥、神戸牛等)が人気(観光庁調査)。

 以前は鉄板焼が人気だったが、現在はラーメン、寿司、おにぎりなどが好まれる傾向。駅や空港でも、現地風寿司を販売する軽食屋がある。大手ファーストフードチェーン(Nordsee)も同分野に参入。

 韓国人や中国人等が経営する店舗も多数。中華料理店が寿司レストランに転向したり、メニューに寿司を加えるなどの動きもある。


「イギリス」への農産物・食品輸出(輸出先「16位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
65.9億円(2015年)

国・地域別順位 16位

 イギリスは、日本の農林水産物・食品の輸出先第16位。

 ソース混合調味料や醤油、アルコール飲料など加工食品が中心。


「イギリス」・農業関連データ

 主な輸入品: ワイン(4,808百万ドル、フランス、イタリア等)、加工食品(3,306百万ドル、オランダ、イタリア等)、動植物性原材料(2,530百万ドル、オランダ等)


「イギリス」・市場の特性

 日本食はヘルシーなイメージが定着。高い肥満率が社会問題化していることもあり、ロンドンでは日本食への関心も高まっている。

 一方で、ロンドン以外の地方では、日本食の普及度はまだ低い。日本文化への関心も大陸の欧州諸国と比べ低い。

 ロンドンでは、高品質なアイテムを求め、高価格を許容する層も存在。中東やロシアの富裕層も滞在。

 加工食品など、日本企業がEU域内で生産した日本食材の販売も多い。


「イギリス」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食はジャガイモやパン。ビールやスナック菓子が好まれ、肥満率は欧州一。

 食に対して保守的な一方、気に入れば継続購入する傾向がある。

 一般的に食生活は質素。家庭では簡便志向が強く、レディミール(調理済み食材)が広く普及。栄養バランスが社会問題となっている。

 健康や食の安全性への関心は高く、オーガニック市場も拡大。

 ロンドンは多国籍化が進み、食文化も多様化。高級レストランも多い。

 地方においては、生魚を食べることに慣れていない人もいる。


「イギリス」・外食・小売等の状況

 日本食はヘルシーなイメージが定着。日本食レストランは約810店。

 ロンドンでは高級店からカレーやお好み焼きといった店まで幅広く、日系資本の専門店の進出も増加。ラーメン人気も高まる。

 寿司や弁当、麺類、カレーなどテイクアウト専門店も人気。

 一部の高級日本食レストランでは和牛を提供。全農もロンドンで和牛を全面的に押し出した和食レストラン「TOKIMEITĒ」をオープン。

 ロンドン発のカジュアルな日本風レストラン「Wagamama」や回転寿司店「YO! Sushi」などが多店舗展開。海外にも進出。

 一方で、日本食は高価なイメージも強く、スコットランドや地方では、一般普及していない。


「インドネシア」への農産物・食品輸出(輸出先「17位」)

日本からの農林水産物輸出
64億円(2015年)

国・地域別順位 17位

・人口:257百万人 (人口増加率 1.3%)
・面積:約189万㎢ (日本の約5倍)
・宗教:イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教ほか
・名目GDP:8,886億ドル
・一人当たり名目GDP:3,524ドル
・実質GDP成長率:5.0%


「インドネシア」・農業関連データ

 主な輸入品: 小麦(2,439百万ドル、オーストラリア、カナダ等)、大豆粕(1,927百万ドル、アルゼンチン等)、粗糖(1,678百万ドル、タイ、ブラジル等)

 インドネシアは、穀物自給率は高いが、穀物の輸入が多い。


「インドネシア」・市場の特性

 イスラム圏最大の人口。多民族国家で多様な地域性が見られる。寛容な考えのイスラム教徒が多い。

 日インドネシア経済連携協定の効果もあり、輸出は増加傾向。

 日系外食企業のほか、食品関連企業も進出し現地生産。

 インドネシア人の人口の約半数が一日2ドル程度で生活。首都ジャカルタの平均月給(事務職)も約4万円程度だが、一方で富裕層も存在し、格差が顕著。経済発展により中間層も拡大。

 食料自給や輸出拡大のため保護主義的な動きが強まっており、輸入規制の強化や不透明な運用が見られる。


「インドネシア」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 伝統的にコメが主食。大豆加工品、魚、卵等からタンパク質を摂取する食生活だったが、経済成長に伴い食文化は多様化。肉類の消費も増加。

 国民の9割がイスラム教徒で豚肉が禁忌。肉類消費の多くが鶏肉。

 日本と比較して味が濃い、または、強いものを好む。味付けにとうがらしを多用する。甘いものであればより甘く、辛いものであればより辛いものが好まれる。

 酸味はあまり得意ではない。酢が効いたドレッシング等は好まれない。


「インドネシア」・外食・小売等の状況

 日本食人気は高く、新鮮さやヘルシーさといった印象を持たれている。ジャカルタ特別州のみで日本食レストラン数は474店。

 高級層から低所得者層向けまで幅広い。吉野家やペッパーランチ、大戸屋などの日系外食企業の進出が増えているほか、現地の日本食チェーン店やシンガポール系回転寿司チェーンなども増加。

 中華系を中心に豚骨ラーメンがブーム。日系チェーン店も進出。


「インドネシア」・物流、関税

 物流関係は一定の量があるが、コールドチェーンに課題。

・日本との航空便は週約55便。航空輸送時間は約8時間。
(スカルノハッタ国際空港約40便、デンパサール国際空港約15便)。

・日本とのコンテナ航路は週約2便。海上輸送日数は最短で約9日。
・インドネシアにおいて、冷蔵・冷凍の倉庫貸し及び配達を行っている企業は少なく、コールド
チェーンは全体として未成熟な状況(大手小売は独自にコールドチェーンを確保)。

輸入業者が保冷車を有していない場合には、氷で冷やした状態で配達。
交通渋滞による配送時間の遅延による品質劣化のケースもみられる。

※ インドネシアでのコールドチェーンの整備等を図るため、インドネシアへの参入を検討している日系の物流業者もみられる(物流業に関する外資規制について撤廃・緩和の動きが見られる)。

 自国で生産していない品目の関税率は比較的低い。

 牛肉5%、日本酒90%、醤油5%、うんしゅうみかん20%など

 コメ、牛乳・乳製品に関税割当が設けられている。
※2007年に日インドネシアEPAを締結(2008年より発効)。


「インドネシア」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 インドネシアは、輸入規制が厳しく、規制の運用も不透明であるなど、農林水産物・食品の輸出のハードルは非常に高いものの、日系企業の進出も多く、日本ブランドの認知度は比較的高いことなどを踏まえると、環境が整えば、日本産品の輸出を増やすことは可能と考えられる。

 インドネシア向けの輸出については、現状では、実際に輸出できる品目が非常に少ないため、動植物検疫などの輸入規制や物流の制約の撤廃・緩和、輸出ルートの研究等に全力で取組んでいくことが最も重要。

 このような中、輸入手続きが比較的明確な加工食品は、輸出に取り組み易いことから、まずは、ジャカルタなどの大都市において、所得が比較的高く、ハラール要件も不要な中華系向けを中心に、輸出の取組みを進めていくことが考えられる(ただし、インドネシアでは、日系企業の加工食品の現地生産も多いため、差別化が重要)。

(注)インドネシアは、イスラム教徒の数が非常に多いが、多民族国家で中華系などもおり、民族や宗教によって嗜好や禁忌食品などが異なっていることから、輸出にあたってはターゲットの明確化が必要。

 インドネシアには、日系企業が多く進出しており、日本ブランドの認知度は比較的高いが、輸入規制が厳しく、運用も不透明であるなど制約が大きく、農産品などの輸出のハードルは非常に高い状況。その中でも、輸入手続きが他品目に比して明確な加工食品や水産物は、比較的取組みやすいと考えられる。


「フランス」への農産物・食品輸出(輸出先「18位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
61.5億円(2015年)

国・地域別順位 18位

 フランスは、日本の農林水産物・食品の輸出先第18位。

 輸出額の4割以上がアルコール飲料で、伸びも大きい。

 その他、ホタテや醤油、緑茶などの輸出が増加。特に醤油の輸出先では5位。


「フランス」・農業関連データ

 主な輸入品: 動植物性原材料(2,777百万ドル、オランダ、ドイツ等)、加工食品(2,242百万ドル、ドイツ、ベルギー等)、チョコレート(1,889百万ドル、ベルギー、ドイツ等)


「フランス」・市場の特性

 寿司や焼き鳥などの日本食が定着。ラーメンや居酒屋等の人気も高まる。

 高級品市場で、日本産の品質は一定の信頼感を得ている。

 パリのシェフは、良い食材を常に探しており、新しい日本食品が受け入れられる土壌あり。但し、多くの日本食材の使用方法が理解されておらず、普及には丁寧な説明・PRが必要。

 若い世代を中心に、日本のアニメ・マンガの人気が非常に高く、数十万人を動員するイベントも開催される。日本食に親しみを感じる一因にも。

 加工食品など、日本企業がEU域内で生産した日本食材の販売も多い。

 EU最大の農業国であり、農産物のほか、ワインやチーズなども世界有数の輸出額を誇る。


「フランス」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 バゲット(パン)が主食。食に保守的で、一般的に家庭料理は質素。外食は少ない。

 伝統的なフランス料理店(ビストロ)が普及しているが、高級ファストフード店の進出など、多様化が進む。

 現地で食されていない食品の輸出には粘り強い普及活動が必要。一度定着すれば、長く愛されることが期待できる国民性でもある。

 日本食は「おいしい」「健康的」「ファッショナブル」というイメージとともに人気が高まっているが、生魚を苦手とする人も多い。


「フランス」・外食・小売等の状況

 焼き鳥などの庶民的な料理から高級日本食まで、幅広い日本食が受け入れられている。懐石料理への評価も高い。

 地方都市でも日本食レストランが増え、全国に約3,200店。中華系・韓国系が経営する店が多く、純粋な日本食ではない料理も多い。

 寿司ブームで増えた現地系寿司チェーン店が相次ぎ民事再生手続を申請。「フランスの寿司レストランは淘汰(とうた)」と報じられたが、日系寿司店には大きな影響は出ず。

 1980年にコンコルド広場近くへ初出店した虎屋が先駆けとなり、緑茶も提供する喫茶店・専門店も徐々に増加。


「ロシア」への農産物・食品輸出(輸出先「20位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
32.0億円(2015年)

国・地域別順位 20位

 ロシアは、日本の農林水産物・食品の輸出先第20位。

 さんま、すけとうだらの輸出が3分の1を占める。

 インスタントコーヒーの輸出が大きいことも特徴。インスタントコーヒーの最大の輸出先。

・人口:143百万人(人口増加率 0.0%)
・面積:約1,707万㎢
(日本の45倍,アメリカの2倍近く)
・宗教:ロシア正教、イスラム教、仏教、ユダヤ教等
・名目GDP:1兆8,606億ドル
・一人当たり名目GDP:12,718ドル
・実質GDP成長率:0.7%


「ロシア」・農業関連データ

 主な輸入品: 牛肉(2,493百万ドル、ブラジル、パラグアイ等)、チーズ(2,086百万ドル、ベラルーシ、ウクライナ等)、豚肉(1,792百万ドル、ブラジル、デンマーク等)


「ロシア」・市場の特性

 モスクワやサンクトペテルブルクなどでは、寿司などの日本食人気が高い。

 日本食への関心は高いが、食材が日本産かどうかのこだわりは少ない。中国・韓国・タイ・ベトナム等他国産の日本食材も、数多く販売されている。

 日本産品の販売は高級スーパーのみ、数量も少なく、日本の小売価格の3~4倍で販売されている。

 昨今、ルーブルの暴落や景気低迷の影響で、外食を含む消費が減少。

 経済制裁への対抗措置で、欧米諸国の農産物の輸入が禁止されている。


「ロシア」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食は小麦、大麦、ライ麦等を使ったパン・パンケーキ類。ソバを粒食するほか、コメも各種料理の具材等として多用。

 辛いもの、酸味の強いものは好まない。味付けはシンプルで、塩・こしょうを基本とし、ハーブを用いる。ボルシチ・ピロシキ・ペリメニ(餃子風の料理)等の伝統的な料理に加え、他地域の食文化も取り入れる。ジャガイモも好まれる。

 内食率が高い。食は一般的に保守的だが、好みに合致するものは積極的に取り入れる。寿司など、生魚を食べることにも抵抗は少ない。

 酒類、茶の消費量大。


「ロシア」・外食・小売等の状況

 イタリア料理と並び日本食が人気。寿司の人気が極めて高く、日常食となっているが、巻き寿司が中心で、ロシア独自の寿司として進化。日本とは味付けが異なる別物。焼き鳥も好まれる。

 高級店からファストフードまで幅広い。日本食レストランは、モスクワ近郊に約1,200店、サンクトペテルブルクに500店程度あるが、日本人が経営や調理に関与するレストランはわずか。

 丸亀うどんがモスクワで5店舗展開。かつおだしよりも、豚汁のようなスープのうどんの方が人気。


「ロシア」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 ロシアは、近年は資源価格の下落等から経済状況が悪化しているが、日本食レストランも多いことから、日本産品の輸出を拡大することは可能と考えられる。特に、極東ロシアは、日本からの距離が非常に近いことから、輸出小売・外食向けに日常的な日本産品を輸出することも可能と考えられる。

 ロシアは、西部の主要都市と極東ロシアで日本産品の輸出に関する状況が大きく異なっていることから、

・西部の主要都市では、日本食の認知度は高いため、EUと同様に、外食を中心に輸出促進の取組みを進めていく。

・極東ロシアでは、日本からの距離の近さを活かし、販路開拓を進めるとともに、ロシアの極東・シベリア開発における農業分野やエネルギー分野での協力なども通じて、日本のプレゼンスを高め、輸出拡大につなげていく。

 モスクワを中心とする西部の主要都市は、日本からの距離も遠く、ヨーロッパと同じような状況にあるため、高い価格に見合うだけの特徴がある商品でなければ輸出は難しい。

 一方、極東ロシアは、人口は多くはないが(600万人程度)、日本からの距離は非常に近く、日常用としても小売・外食向けに幅広い商品を輸出できる可能性。

(注)ロシアは、現在は、資源価格の下落などから、経済状況が悪化しており、通貨価値も下落していることにも留意。


「イタリア」への農産物・食品輸出(輸出先「21位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
31.3億円(2015年)

国・地域別順位 21位

 イタリアは、日本の農林水産物・食品の輸出先第21位。

 突出して金額の大きな輸出品はないが、品目別の輸出額では盆栽などの「植木等」が3.5億円で最大。

 寿司の人気が高く、「のり」や「醤油」の輸出も増加。

・人口:60百万人(人口増加率 0.1%)
・面積:約30万㎢ (日本の約5分の4)
・宗教:キリスト教(カトリックが約85%)、イスラム教等
・名目GDP:2兆1,477億ドル
・一人当たり名目GDP:35,335ドル
・実質GDP成長率:-0.4%


「イタリア」・農業関連データ

 主な輸入品: たばこ(2,525百万ドル、オランダ、ドイツ等)、チーズ(2,224百万ドル、ドイツ、フランス等)、豚肉(2,136百万ドル、ドイツ、オランダ等)


「イタリア」・市場の特性

 食に対しては保守的だが、日本食が徐々に浸透しつつある。

 日本のアニメやマンガの認知度が高く、作品に出てくる日本食メニューへの親近感も醸成されている。

 EU域内で生産された日本食材やアジア産食材も販売されるが、日本産品に対する信頼が厚く、多少の価格差であれば日本産が選択されている。

 2015年に食をテーマとしたミラノ万博が開催され、日本食を含む海外の食文化への理解が高まる。

 白菜や大根など日本食に馴染みのある野菜や鮮魚は豊富。


「イタリア」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 イタリア料理に対するこだわりが強く、食には保守的。

 パン・パスタ等を主食とし、野菜、肉、魚等豊富な食材を使用。塩・コショウ・オリーブオイルといったシンプルな味付けを好む。イタリア料理は郷土色が強く、多種多様。

 一般的に外食率は低く、店の選択も保守的な傾向。

 若者や流行に敏感な消費者の間で,日本食を含む外国料理の人気も向上。スタイリッシュなアジア料理店も増えている。


「イタリア」・外食・小売等の状況

 英仏に比べると日本食の浸透が遅れていたが、健康志向の高まりやマンガの影響などにより、日本食への関心が高まる。ミラノ万博でも日本パビリオンが人気を集めた。

 寿司のほか、ラーメンや天ぷらも人気。

 日本食レストランは約900店。寿司のテイクアウトや宅配店も増加。

 日本人経営のレストランはまだ少ないが、九州レモンガスがミラノで日本食レストランを開店するなど、徐々に増加。


「インド」への農産物・食品輸出(輸出先「34位」)

日本からの農林水産物・食品輸出
12.6億円(2015年)

国・地域別順位 34位

 インド向けの農林水産物・食品輸出は、品目単位でみると多くて1.5億円程度にとどまっており、人口に対しても非常に少ない金額となっている。

 日本食があまり普及していないこともあり、加工原料の輸出が多く、食材の輸出は少ない。

・人口:1,311百万人(人口増加率 1.3%)
・面積:約328万㎢
・宗教:ヒンドゥー教(8割)、イスラム教(1割強)、キリスト教など
・名目GDP:2兆512億ドル
・一人当たり名目GDP:1,608ドル
・実質GDP成長率:7.3%


「インド」・農業関連データ

 主な輸入品:パーム油(6,959百万ドル、インドネシア、マレーシア等)、ひまわり油(1,218百万ドル、ウクライナ等)、大豆油(1,192百万ドル、アルゼンチン等)


「インド」・市場の特性

 13億の人口を有す成長市場。日本食の認知度はまだ低く、日本産食材・食品の販売ルートは少ないが、中流層以上が増加しニーズは徐々に拡大。

 健康食への関心が高い。緑茶などについてヘルシーなイメージは持たれているが、その効果などがまだ理解されていない状況。

 主要ルートであるローカル市場を束ねる大型ディストリビューターが不在。

 スーパーも増えてはいるが、総合小売の外資開放がなされておらず、流通販売網を構築するのに労力を要す。

 全国民の約3割近く(約3~4億人)は魚介類を食べるが、現在は衛生・冷蔵環境が不十分な状態で消費者・加工業者に届けられている。


「インド」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 宗教的背景やその信仰度合い、地域により多様な食文化・食習慣が混在。

 ヒンドゥー教は菜食を理想とする。鶏肉、羊肉、魚介類は認められているが神聖な動物である牛肉は食べない。イスラム教では豚肉は禁忌。

 レストランのメニューや食品は必ず「ベジ」「ノンベジ」(ベジタリアン向けか否か)を表示し、明確に区分。「ノンベジタリアン」が6割といわれるが、「魚介類のみ食べる者」、「曜日を限って肉食を行う者」など、様々な形態がある。

 一般的に、スパイスの効いた濃い味を好む。アルコールの消費は少ないが増加。

 近年の急激な富裕層・中間層の増大、核家族化、近代化で、食生活も大きく変化。


「インド」・外食・小売等の状況

 日本食の需要は極めて限定的。日本食レストランは約80店。駐在員等日本人向けが多い。インド人向けは5つ星ホテル内のレストランやビュッフェでの提供がほとんど。

 寿司やてんぷらが人気。多くが輸入食材を使用するため、高額。

 肥満や糖尿病が社会問題になっており、富裕層を中心に健康志向の観点から日本食が受け入れられる可能性は考えられる。


「インド」・物流、関税

 物流は一定量あるがコールドチェーンは不十分。

・日本との航空便は全国で週約30便。航空輸送時間は約10時間。
・日本とのコンテナ航路はなし(日本からはシンガポールや香港で積み替え)。
コールドチェーンの整備は遅れている。
(コールドチェーンの不足による食品の廃棄ロスは約7,300億円。)

  (ムンバイにおいて)港において貨物が渋滞し、作業・手続に時間がかかるとの指摘。

 主な関税率
水産物(さば、ブリ(冷凍))30%、 鶏肉(冷凍分割)100%、りんご
50%、なし30% 等
[主な関税割当品目:粉乳、トウモロコシ、植物油] ※2011年に日インドEPAを締結(2011年より発効)


「インド」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 インドについては、日本からの距離が比較的遠く、輸出後の価格帯も現地の所得に合わず、また、文化・味覚的にも日本と大きく異なっているなど、日本からの輸出環境は発展途上にあるため、現段階では、輸出を大きく増やすことは難しい状況。

 このような状況の中

・高所得者層を対象とした高価格・高品質な日本食材の提案

・タイなど海外で生産された日本ブランドの加工食品などのインドへの展開

・インフラやコンテンツの輸出などとも連携しつつ日系企業の進出の支援

などの取組みを進め、日本ブランドの普及を図り、将来の輸出拡大につなげていく。

(注)インドでは、ベジタリアンとノンベジタリアンで食べられるものが全く異なっていることから、日本産品の輸出にあたっては、ターゲットの明確化とともに料理方法の紹介なども含めた対応が必要。

 インドは、輸入規制や物流などの輸出環境から、現段階では、日本産品を大量に輸出することは難しい。このため、例えば、高級菓子などの加工食品を小売向けに輸出する取組み(表示規制の対応が必要)、水産物【衛生書類の協議が必要】を高級レストラン向けを中心に輸出する取組み(コールドチェーンの確保が必要)など、小ロットの高価格・高品質の輸出の取組みを重ねていくことが重要。


「中東」への農産物・食品輸出

 中東(主要ターゲットである4か国)への輸出は、UAEを中心として清涼飲料水の人気が高く、輸出額が大きく増加。

 全体の中でさばやまぐろなどの缶詰、菓子、ソース混合調味料など加工食品の割合が大きく、輸出上位品目の伸びは大きい。

■ 主要なターゲット国
 UAE カタール
74.9億円/14位

 サウジアラビア
24.6億円/25位

 トルコ
10.4億円/35位

 カタール
3.7億円/52位

上記4か国のほか、制裁解除されたイラン等を含めると2億人超の市場。


「中東」・市場の特性

 産油国を中心に一人当たりGDPが高く、購買力旺盛。高級品需要も大。

 若年層が多く、2030年頃の就労人口のピーク時は強い消費が見込まれる。

 UAEは空路海路のハブとして機能。富裕層が集まり食のトレンド発信地に。

 親日的な国が多く、日本への関心は高い。日本食品は、現地企業、レストラン関係者などから、品質、味など全体的に高い評価。


「中東」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

 主食はパンに加え米も食べる。

 味は濃い、甘い、油っぽいものを好む傾向がある。

 肉の消費は、世界平均(約43キロ)を上回り、先進国に迫る60キロ超。肥満や糖尿病の人が多く、健康志向が高まる。健康・機能性食品のニーズも高まっている。

 保守的で新しいものに手を出しにくい傾向あり、日本産品は食べ方の紹介が必要。


「中東」・外食・小売等の状況

 日本食レストラン:UAE 約120店、トルコ約60店、サウジ約30店。

 日本食を知る欧米人駐在員やアラブ人などを中心に関心が高まる。

 欧米スタイルの”スシ”(米国流巻きものなど)が流行。

 中華料理などアジア系料理と一緒に提供される店もある。

 高級レストランでは、日本産食材を多く利用する傾向。


「中東」・物流、関税

 物流関係はUAEとの間では比較的充実している。

・日本との航空便は、UAE週約35便(航空輸送時間は約12時間)、カタール週約20便(航空輸送時間は約12時間)等 。

・日本との中東とのコンテナ航路は週1便。最短で20日程度。

・UAEでは、コールドチェーンの整備は比較的進んでいる(ただし、人材教育などソフト面での品質向上が課題)。

 主な関税率(サウジアラビア、UAE)

生鮮品などは関税のない品目が多いが、ホタテ(加工品や冷凍品)5%、日本酒50%(UAE)、たばこ100%(サウジ、UAE)など


「中東」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 中東は、イスラム教徒が非常に多い地域であり、食品の輸出・流通にあたっては食肉をはじめ宗教上の要件を満たす必要があるが、産油国を中心に所得が高く、日本食レストランもみられることから、外食向けの高級品を中心に日本産品の輸出を拡大することが可能と考えられる。

 中東向けの輸出は、まずは、中東の中でも所得も高く(一般的に所得が高いほど他国の文化に寛容)、世界各国から観光客が訪れるUAEで外食向けを中心に、日本食・日本食材のブランド価値の向上を図りつつ輸出促進の取組みを進め、世界各国の旅行客などへの日本食・日本食材のPRにもつなげていく。

(注)中東は産油国を中心に所得が高いものの、高品質・高価格の食材が何でも売れるわけではなく、品質と価格が相応のものでなければ輸出・販売は難しい。販売するにあたって商品についてストーリー性をもって説明するなど、丁寧な説明・販促が重要であることにも留意が必要。

 中東は、食に対して保守的であり、基本的に日本の食文化に関する基礎的な知識が普及していない状況。このため、日本の食文化の普及を進めるとともに、
富裕層や観光客も多く日本食レストラン数も増加してきている中東のハブであるUAEで、外食向けに日本食等の食材の使用を広めていくことが重要。

(小売向けは、加工食品などにハラール対応が必要となるほか、日本産品は多くの販売が見込めず定番商品が継続して取扱われており、輸出拡大のハードルが高い。)


「中南米」への農産物・食品輸出

■ 主要なターゲット国

 ブラジル
21.1億円/28位

 メキシコ
13.8億円/32位

 チリ
13.4億円/33位

 ペルー
2.9億円/56位


「中南米」・市場の特性

 堅調な経済成長を遂げ、経済規模はASEANとインドの合計を上回る。

 日本産品を扱う輸入業者が少ない。業者やレストラン関係者の日本食の知識が不足。一般消費者にも、本物の日本食がまだ理解されていない。

 日本食材として、北米産や安価な中国産、韓国産の物も販売されている。

 日系人が、日本食の普及に重要な役割を果たしている。メキシコ2万人、ペルー10万人、ブラジル190万人(全世界の半数以上)。


「中南米」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

■ メキシコ
 先住民やスペインの影響を受けた食文化。食嗜好は保守的。トウモロコシを使用したトルティーヤなどが主食。派手で、味が濃く、酸っぱい・辛い料理を好む。

■ ペルー
 海岸・山岳・熱帯雨林地域で大きく異なる。それぞれ主食は、米・パン、ジャガイモ、バナナ。鶏肉が人気、魚や牛肉も食す。高所得者層は健康意識が高い。貧困層は炭水化物に偏る傾向。

■ チリ
 肉食が中心。パンの消費量は南米で最大。食には保守的。水産物に恵まれているものの、魚介類の消費は多くない。高所得者層では健康意識が高い。

■ ブラジル
 主食は米(長粒種)と豆。牛肉と鶏肉の消費が多い。濃い味つけが好まれ、塩分は強く、菓子類はとても甘い。


「中南米」・外食・小売等の状況

 日本食レストラン数:メキシコ約780店、ペルー約60店、チリ(サンティアゴ)約200店(そのほか宅配スシ店600店以上)、ブラジル約1,100店。

 メキシコやチリでは日本食といえば、カリフォルニアロールなど巻物の寿司のイメージが強く、各国で本物の日本食の普及が課題。

■ メキシコ
 日本食人気は高まっているが、本物の日本食が知られていない。牛丼チェーン店(すき家)も展開。

■ ペルー
 日系人が多く、日本料理の人気は高い。味付けをペルー人好みにしたフュージョン料理「Nikkei料理」も普及。

■ チリ
 日本食といえば、寿司(カリフォルニアロール)のイメージ。本物の日本食普及の必要あり。

■ ブラジル
 日本食の認知度や関心は高い。チーズやトマトを入れた寿司や寿司の天ぷらなど独自の変化をしている。手巻き寿司専門チェーン店(テマケリア)も全土でブーム。


「中南米」・物流、関税

 物流関係は充実しており、中南米に特有の問題は聞かれない。

・日本とメキシコとの航空便は週約4便。航空輸送時間は約12時間30分。
・日本とメキシコのコンテナ航路は週約4便。海上輸送日数は最短で約13日。
・日本からブラジルまでの海運は、上海を経由して、最短で22日。
・冷蔵・冷凍設備の整備は十分ではないが、一定の品質は確保されている。

 主な関税率
・メキシコ:牛肉20~25%、関税割当(TPP10年目撤廃)、緑茶20%、関税割当(TPP即時撤廃)、醤油20%(TPP即時撤廃)、チョコレート20%+0.36USD/kg(TPP即時撤廃)、ブリ・さば・さんま17%(TPP即時~5年目撤廃)、ホタテ20%(TPP10年目撤廃) 、日本酒無税(EPA) 等

※2004年に日メキシコEPAを締結(2005年より発効)
・ブラジル:牛肉10,12%、緑茶10%、調味料16,18%、日本酒20%、チョコレート18% 等


「中南米」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 中南米は、日本から物理的な距離が遠く、ブラジルを中心に輸入規制も厳しいことから、日本から輸出できる品目が非常に少ない状況ではあるが、特にブラジルは、南米の中心国で、人口も多いことから、まずは日系人向けを中心に、粘り強く市場開拓の取組みを進め、他の中南米諸国への輸出拡大につなげる。

 中南米は、日系人が多い地域でもあることから、日系人に関する以下の点にも留意しつつ、輸出促進の取組みを進めていく。

・現地生産が行われている日本食材も多いが、基本的に現地で調達できる原材料で生産されており、日本本来のものとは味や品質面が異なり、差別化が図れるものも多いため、味や品質なども含めた現地生産の情報を把握し、日本産の食材(特に加工食品)の輸出の可能性について検討することが重要。

・特にブラジルでは日系人コミュニティーが強いことから、日系人向けと日系人以外向けの取組みと、ターゲットを明確に区別し、販路開拓の取組みを進めることが重要(将来的に、輸出拡大をさらに進めていくためには、特に、日系人以外にもターゲットを広げた取組みが重要)。

 中南米は、日系人の数も多く、小売や外食で日本食材のニーズはあるが、日本からの距離が遠いことなどから現地での価格は相当高くなってしまうため、日本食材を多く輸出することは難しい状況。このため、まずは、南米の中心であるブラジルにおいて、日系人向けを中心として、現実的に輸出できる限られた品目について、粘り強く輸出の取組みを進めていく。


「大洋州」への農産物・食品輸出

 オーストラリアは、日本の農林水産物・食品の輸出先第9位。

 日本からの距離が遠いことや農産物・水産物に関する検疫条件が整っていないことなどから、加工食品が輸出の中心。日本食の普及によりソース混合調味料やスープブロスなどの輸出も伸びている。

主要なターゲット国
 オーストラリア ニュージーランド
120.8億円/9位

 ニュージーランド
27.1億円/22位


「大洋州」・市場の特性

■ オーストラリア
 国民の所得・生活・物価水準が高く、購買意欲が非常に強い。ハイエンドマーケットとして一定の日本産品の需要。出生率が比較的高く、一定数の移民も受け入れていることから、今後も成長が見込まれる。

■ ニュージーランド
 市場は小さい。酪農・畜産業を中心とした農業国で、国内農産物の競争力が高い。酪農品・肉類・木材の輸出が、総輸出の48.5%を占める。


「大洋州」・消費者の味覚、嗜好上の特徴

イギリスの影響を受けた食文化だが原住民から受け継いだ独特の食文化も。アジア系等の移民が増え、食は多様化。日本食はヘルシーとの認識が浸透しつつある。

■ オーストラリア
・パンが主食だが、コメやパスタも日常的に食す。牛肉消費も多い。
・基本的に濃い味を好む傾向。
・食の安全や健康への関心の高まりから、オーガニック食品の需要も増加。

■ ニュージーランド
・先住民や移民が多く、異なる文化の受け入れに寛容。
・近海で新鮮な魚(鯛、アジ等)が獲れ、刺身もポピュラー。生魚への抵抗は少ない


「大洋州」・外食・小売等の状況

寿司(巻物中心)が高い認知度。独特のアレンジも多い。

■ オーストラリア
日本食レストランは全国で約1,600店。高級和食からすしバー、居酒屋など幅広い。シドニーは専門店化も加速し、ラーメンは激戦区。
一風堂、丸亀製麺、やよい軒など日系の大手外食も進出。

■ ニュージーランド
高品質な素材を生かした日本食は人気が高く、本格的な料理店も。
・テイクアウト用寿司店(最大チェーンは48店舗)やラーメン店も存在。
・多くのレストランは中国・韓国系の移民による経営。


「大洋州」・物流、関税

 物流関係は充実しており、オーストラリア・ニュージーランドに特有の問題は聞かれない。

・日本との航空便は、オーストラリア週約46便(航空輸送時間は約10時間)、ニュージーランド週約53便(航空輸送時間は約11時間)。
・日本とのコンテナ航路は週約19便。海上輸送日数は最短で10日程度。
・コールドチェーンは概ね整備されており、温度管理不足による品質劣化の心配はほぼない。

 主な関税率
オーストラリア:ほぼ全ての品目が段階的に無税(日豪EPAが2015年1月に発効)
ニュージーランド:清涼飲料水5%(TPP即時撤廃)、ソース混合調味料5%(TPP5年目撤廃)、醤油5%(TPP5年目撤廃)、チョコレート5%(TPP即時又は5年目撤廃) 等


「大洋州」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 オーストラリアは、国民の所得・生活水準が高く、ハイエンドの高級品に対する購買意欲が非常に強いため、高価格・高品質の日本産品を中心に、日本産品の輸出を拡大することが可能と考えられる。

(注)ニュージーランドは人口が少ないため、大洋州の中では、オーストラリアを中心に輸出拡大の取組みを進めていく。

 オーストラリアは農水産物が豊富にあることから、オーストラリア向けの輸出については、現地産との差別化及び高品質の日本産品に対するブランドイメージの確立を図りつつ

・高価格帯の外食における高品質高価格の日本食材の販路拡大
・健康食品や有機食品など付加価値のある商品の販路拡大
・(移民により近年人口が増えているアジア系への日本食材の展開を図るため)アジア系小売への販路拡大・日本食材の紹介

等の取組みを進め、輸出の拡大を目指していく。

 オーストラリアは、都市部において日本食レストラン数も多く、日系・アジア系スーパーで日本食材も取り扱われていることから、これらの外食・小売を中心に高品質の日本産品の取扱いの拡大を図っていく。

(注)オーストラリアは、農水産物の生産量が多い国であるため、現地産のものと品質等での差別化が重要。


「EU」への農産物・食品輸出

日本からの農林水産物・食品輸出
400億円(2015年)

 EUへの輸出は、アルコール飲料や緑茶の飲料、ソース混合調味料や醤油などの調味料のほか、ホタテや牛肉などの単価の高い食材が多い。

 EU内では、オランダ向けの輸出が105億円で最も多いが、オランダはEUの物流の中心であり、オランダからEU内の国々への再輸出が多いと考えられる。


「EU」・物流、関税

 物流関係は充実(ドイツ、イギリス、フランス、イタリア)。

・日本との航空便は週約175便。航空輸送時間は13時間程度。
・日本とのコンテナ航路は週約5便。海上輸送日数は最短で32日程度。
・コールドチェーンの整備は進んでおり、品質劣化の心配はほぼない。

 主な関税率
牛肉12.8%+141.4ユーロ/100kg~12.8%+304.1ユーロ/100kg、日本酒7.7ユーロ
/100ℓ(2ℓ以下)、緑茶(茶葉)無税又は3.2%、ホタテ(冷凍)8%、醤油・味噌7.7% など
[主な関税割当品目:牛肉、豚肉、鶏肉、乳製品、砂糖、ぶどうジュース など]


「EU」・輸出拡大に向けた基本的な方向性

 EUは、各国での日本食・日本文化の浸透度合いは様々だが、日本食レストランは多くあり、日本食材の利用も一部行われていることから、外食を中心に日本産品の輸出を拡大することは可能と考えられる。

 EU向けの輸出は、まずは、日本文化の認知度が比較的高く食に関して影響力のあるフランス(パリ)や、世界への発信力の高いイギリス(ロンドン)の外食向けを中心に、日本食・日本食材のブランド価値の向上を図りつつ輸出促進の取組みを進め、ヨーロッパ各国への輸出拡大や世界各国への情報発信につなげる。

(注)EU向けの輸出については、以下の点にも留意が必要。
・それぞれの国が独自の食文化を持っていることから、輸出にあたっては、それぞれの国の状況を踏まえ、輸出する品目、販売先、ターゲット層などを明確化し、輸出促進の取組みを進めることが重要。

・基本的に日本文化や日本食・日本食材に対する知識・認識が乏しいため、業者向けの販売促進・説明を行うとともに、消費者向けの日本食材の紹介も併せて進めることが重要。

・輸入規制も比較的厳しいことから、政府において緩和等の働きかけを進めるとともに、EUへの輸出にあたっては、輸入規制の遵守に留意が必要。

 EUでは、各国の状況は様々だが、日本食レストランも多く、日本の食材の利用も一部行われている。ただし、日本からの距離は遠いため、高い価格に見合うだけの特徴がある食材や保存期間の長い食材が輸出の中心となる。

 日本からの小売のルートは限られているため、まずはフランスやイタリアの外食中心に新たな提案を行い、輸出品目を徐々に拡大していく。

■ ドイツ
 食に対して保守的・堅実。有機食品の需要が大きい。
輸出額66億円。日本食レストラン約500店

■ イギリス
 一般人の食生活は質素だが、高級レストランも増加。
輸出額66億円。日本食レストラ約810店

■ フランス
 様々な食が展開。日本食ブームでB級グルメの人気も高まる。
輸出額62億円。日本食レストラン約3,200店

■ イタリア
 ミラノ万博を契機に日本食への理解が促進。
輸出額31億円。日本食レストラン約900店


農産物・食品輸出のまとめ

日本の食品輸出は、順調に伸びております。

政府は、2020年には「1兆円」を超える事を目指しておりますが、まだまだ1兆円どころではなく、伸びていくポテンシャルを持っていると考えております。

今までの輸出額の伸びが遅いくらいです。

日本食品が大幅に伸びる余地があると感じている理由として

食品輸出の7割はアジア圏への輸出であり、まだまだ攻略出来ていない国や地域のほうが多い点です。

輸出額の約4分の1は、香港が占めている状態であり、日本食品が世界中に多く輸出されているわけではありません。

大半は、アジアの限られた国や地域への輸出となっております。

欧米でも、日本食は浸透してきていると言われておりますが、欧米への輸出は難しい点も多く、輸出額は微増と言えます。

アジア圏への輸出額が多い理由は、日本との距離や関税によるものであり、当たり前と言える部分があります。

そのため、アジア圏だけでなく、欧米への輸出も増えていけば、輸出額は1兆円程度ではないと予測出来ます。

日本は、食品の輸出だけでなく、訪日も欧米からの集客が伸びておりません。

訪日の大幅な伸びも、データを見ればアジア圏からの伸びに頼っております。

欧米に関しても、日本マンガの人気が年々増しております。

このマンガは、日本食にも大きな影響を与えており、マンガのキャラクターが食べている物を、自分も食べてみたいと訪日される方もいらっしゃいます。

更に、現代社会を考えると、ネット戦略は必須です。

食品輸出にネットは関係ないと感じる方もいらっしゃいますが、食でもSNSの口コミなどは非常に大きな影響力を持っております。

日本食の情報もネットで検索されています。

しかし、インターネット上には、まだまだ日本食の情報は少なく、言語別に見れば、英語は多少増えておりますが、英語以外の言語では、まともな情報も出ないケースもあります。

政府もネットに力を入れてきてはおりますが、まだまだ微力なため、日本の食に関わる企業や個人の方も、世界に向けて情報を発信していく戦略が必要と感じます。

情報は多様性が求められておりますので、内容だけでなく、様々な言語での情報発信も必要です。

食品輸出は、個人だけでは関税や規制など、クリアするのは難しい部分もあります。

そのため、本当に官民一体となって、素早く行動を実行していかなければ、海外企業に市場を取られる恐れもあります。

2020年の東京オリンピックが決まり、日本への注目度は増しております。

この好機を逃す事なく、戦略を進め、世界に日本食を浸透させる事が出来れば、食品の輸出額も大幅な伸びが期待出来ます。

2020年までに、どれだけの戦略を進める事が出来るのか?

今後の、日本食や訪日にも大きく関わる重要な期間と見ております。

海外展示会に出展するだけでなく、海外向けブログを始めて情報発信するだけでも、数年後には大きな差になっているはずです。

弊社クライアント様の事例で言えば、海外向けホームページやブログに海外企業からの問い合わせが増えております。

日本食品関連企業で、海外向けホームページを持っている企業は非常に少ないため、食品によってはライバルが皆無の状態で、問い合わせをいただいております。

インターネットならば、企業の大きさも関係なく、無料でも始める事が出来るため、個人の方でも、すぐに始める事が出来ます。

更に、海外展示会に出展したとしても、ネット戦略は必須です。

海外のバイヤーの方も、気になった企業や商品を検索しております。

そのため、ネット上に、自社商品の情報を掲載しておく事は、展示会でも必須です。

これから、食品輸出を始めたいと考えている方は、無料ブログでもいいので始めてみてはいかがでしょうか?

無料ブログでも、海外からの問い合わせを得る事は可能です。

アクセスや、問い合わせのあった国を分析する事で、自社の商品がどこで需要があるのか?テストマーケティングにもなりますので、お試しいただければ幸いです。

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